たかみじまという島(しま)のお話

以前、紹介したせとうち暮らしの文章教室でのこと。

せとうち暮らし08号の特集「海の地形と海の地名」に書かれた高見島の紹介文を
子ども向けに書きなおして下さい、というお題が、コピーライターの政子さんからだされました。

下記は、その時、せとうち暮らしにライターとして参加してくださっている
古本屋なタ書の店主 キキさんの文章です。
とても素晴らしい文章でしたので、ここでご紹介させていただきます。

香川県には”たどつ”という地名の場所があります。
その”たどつ”には毎日決まった時間に船が走っている港があります。
港から船に乗って、外の風景をながめていたら、
やがて目の前に小さい山のような形をした島が見えてきます。
その島の名前は”たかみじま”と呼ばれています。
船から降りて島をながめてみます。
船からながめていた時には小さい山のようにみえた”たかみじま”。
頂上の方までおうちがくっついてるように並んでたっています。
おうちの屋根は瓦でできあがっています。
おうちのまわりは石がつまれた壁のようなものでおおわれています。
それらは”いしがき”と呼ばれています。
家と家の間を歩いてみるとあしもとはじゃりや土の道ではありません。
きちんとコンクリートでつくられた立派な道になっています。
でもとってもせまい道です。

みんなのおじいちゃんやおばあちゃんが暮らしていた頃の道が
そのまま使われているのでしょう。
お父さんとお母さんが肩をぴったりくっつけて、
ようやく2人で並んで歩けるような細い道です。
山の頂上の方に向かって道を歩いて行くと、お寺はあります。
”だいせいじ”という名前のお寺です。
お寺に入って海の方の景色をながめてみます。
海の上にいくつかの島がうかんでいます。
はれているととってもはっきりと見渡せます。
それらの島の名前は”ひろしま”と呼ばれたり、”ほんじま””うしじま”とよばれたりしています。
他にもいくつかの小さな島が海の上に浮かんでいます。
今いる”たかみじま”とそれらの島をあわせてなんと呼ばれているか知っていますか?
”しわく諸島(しょとう)”と呼ばれています。
”しょとう”というのは島がたくさん集まったという意味だと思ってください。

みんなのおじいちゃんやおばあちゃんがまだ子どもだった頃よりももっと昔。
江戸時代と呼ばれていた時代がありました。
チョンマゲ姿のおさむらいさんが街を歩いていた時代です。
その頃は今のように飛行機や新幹線はまだありませんでした。
船がとっても大事な乗り物でした。
ですので船の”運転手さん”、ふなのりっていいます。
ふなのりが全国にはたくさんその時代にいました。
船を運転するのにもうまい、へたってのがあります。
車の運転がうまい、へたってのとおんなじ話です。
”しわくしょとう”にいる船の運転手さん”船乗り”たちは、
船の運転がとっても上手なことで、日本の中でもとっても有名だったのです。