男木島の港に着いて少し歩くと、豊玉姫神社の鳥居が見えてきます。
鳥居をくぐってさらに進むと、その先は三叉路になっています。
三叉路の正面には石碑のようなものが置かれています。
「右玉姫宮」、右に行くと豊玉姫神社にたどり着きますよ、と記されています。
道しるべです。
2007年に訪れた際には、道しるべの側面が見えていました。
そこには「明治三十七年」とあり、この道しるべが明治37年(1904年)に設置されたことがわかります。
今からおよそ100年も前のことです。
道しるべは、道がわかっているはずの島の人には必要のないものです。
であれば、設置は外から島へ来る人のため、ということになります。
さらにその人たちの目的地は豊玉姫神社であったようです。
男木島の豊玉姫神社は、安産の神様として、かつては島外からの参拝客を多く集めていたといいます。
この道しるべはその名残といえます。
また、道しるべが置かれているこの道は、外から来た人でも通る道、つまり島のメインストリートだったのでしょう。
乗松真也