梅雨も明けて青空の広がるある日、とある島へ向かいました。
ただし、その島への定期船はありません。
無人島だからです。
なので、島へ渡るために船を出してもらいました。
向かったのは直島の少し北にある喜兵衛島(きへいじま)という島です。
砂浜に着岸した船から降り、砂浜と岩場を歩いて目的地にたどり着きました。
この場所には茶色のかけらが散乱しています。
茶色のかけらは古墳時代(約1,400年前)の塩づくり用の土器の破片です。
かつて瀬戸内では土器による塩づくりが盛んでした。
散乱する土器は、この喜兵衛島でも塩づくりが行なわれていたことを教えてくれます。
「喜兵衛島製塩遺跡」として史跡にも指定されています。
また、奈良時代や平安時代の人たちが残したものもあります。
現在は小さな無人島ですが、当時は港があって潮待ちなどにも使われたのかもしれません。
乗松真也