オリーブの花の咲くころ

オリーブの花の季節になると、思い出す景色があります。

緑に輝く葉をなびかせながら、風に揺れるオリーブの木。

初めて小豆島のオリーブ畑に立ったときの記憶です。

『せとうち暮らし 7号』 の取材で、

小豆島のオリーブ染め工房「木の花」さんをおたずねしたとき、なぜかその日のことを思い出しました。

木の花の高木さんがオリーブで染めた、美しい糸。島の色に記憶が呼応したのかもしれません。

 

 

オリーブの花が咲いています。木によってはもう花が散って、

小さな小さなオリーブの実が見られるものも。

そう言えば、ぐんぐんと葉が伸びる成長の季節や、

花が咲いたり実がついたりする頃では、同じオリーブの木でも染まる色が変わるそうです。

オリーブは生きているから、染めた糸も季節ごとに違う表情を見せてくれる…。

いま、木の花さんには、どんな表情をした糸が並んでいるのでしょう。

そんなことを考えていたら、また小豆島に行きたくなりました。

高木さんが染める島の色に会いたくなりました。

 



写真:佐々木陵子

 

せとうち暮らし vol.07
ROOTS BOOKS
【定価】600円(税込)
【判型】B5変形(172×257)、48ページ
【発行】2012年4月
ISBN:978-4-905044-05-5 C0026