秋会期中の瀬戸内国際芸術祭2013、本島(ほんじま)でEAT&ART TAROさん がつくる島スープは味噌仕立ての「結びのスープ」。
このスープに使っているのは塩屋味噌、とEAT&ART TAROさんが説明してくれました。
本島には何軒か商店がありますが、扱っている味噌の銘柄はひとつだけ。
それが塩屋味噌です。
岡山県倉敷市児島(こじま)でつくられるこの味噌、本島の福田にある田中商店では数十年前から扱ってきました。
県は違っても児島は本島の目と鼻の先、当時は船で直接、製造元から本島まで味噌を運んでいたそうです。
以来、塩屋味噌は本島に浸透し、現在でも塩屋味噌を支持する島の人は少なくありません。
家庭で使うのはもちろん、島外に住む子どもや孫に送る、島に戻ってきたおりに買い求める・・・。
(『せとうち暮らしvol.07』の特集「春の島旅にでかけよう」参照)
「お土産」や「名物」と聞くと、多くの場合、その場所でつくられたものををイメージします。
しかし、塩屋味噌のように島外でつくられていても、現在の島の食文化を担っているモノもあります。
児島とのつながりや、味噌が受け入れられてきた背景など、モノを通して本島を語ることのできる塩屋味噌は「お土産」や「名物」の要件を満たしているようにも思います。
島スープを食べた後、本島の商店で塩屋味噌をお土産に買ってみてはいかがでしょうか。